英語用のバッファ

聴いた単語について素直に解釈できるようになれば、リスニングも楽になるはず。しかし実際にはまず音を聞いて、少しすると意味が思い出されるというレベル。そうなるとやはり聴いた英語を一時的に音としてバッファリングしておき、わからなかったものについては少し戻って考える必要がある。わりと音だけは頭に残ってるなぁ、と感じることが出てきたので、このバッファリングについて述べている人がいないかを検索。面白い記述を発見したので記録。

品詞分解が得意な奴は英語力が伸びない』より引用。

132 :名無しさん@英語勉強中[sage]:2008/10/31(金) 11:54:48
>>131
薬袋善郎の読解法の全てに俺が肯定的ということはない。単に、意識的な品詞分解の例として挙げただけ。
英語ではある単語の意味がその後に出てくる単語によってはっきりすることが結構あるから、返り読み的な解釈は会話におけるネイティブの頭の中にもある程度存在する。

 I drew the veil ―(私はそのベールを描いた(?))
  →I drew the veil over ―(私はそのベールを最初から再び描いた(?))
   →I drew the veil over my face.(私はそのベールを顔に被った。)

この例では、「drew」の意味が文末でようやく確定する。「私は」「そのベールを」「顔に」「被った」のそれぞれの解釈がそれぞれの登場時点でほぼ確定する日本語とは違う。子音と母音の種類が多く、それぞれの単語が短いことで、英語は非定型表現の音声伝達で日本語より高速だが、単語の集まりが認識された後に、品詞分解や構文解析で思考が忙しくなる。解釈が不確定の状態のまま単語を瞬間記憶バッファに保持しなければならない。英語ネイティブの一時記憶バッファはおおむね12単語分くらいはあると思う。

日本語でこのように大きなバッファが必要になることはあまりないなため、日本語ネイティブの英語学習者は、それぞれの単語を聞き取れるにもかかわらず、バッファがあふれてしまうため、会話では文意を捉えられないことがある。また、読解では速度を要求されないため、機械的な返り読みを続けていると、瞬間記憶バッファは拡張しない。だから、会話がうまくならない。

通訳たちは経験的にシャドーイングという訓練方法を編み出した。

130 :名無しさん@英語勉強中[sage]:2008/10/31(金) 01:29:07
>>129
「draw」は面倒な動詞で、目的語が作用の対象を表すこともあれば、行為の結果を表すこともある。
「I drew a map.」なら、「a map」は行為の結果であり、作用の対象は文には明記されていない「a pen」とか 「a sheet of paper」あたりだろう。一方、「I drew a veil over my face」では、「a veil」は作用の対象で、行為の結果は文に明記されていない「my face covered with a veil」あたり。

「I drew a veil on my face」で「a veil」を行為の結果と捉えるネイティブと作用の対象と捉えるネイティブで、どちらが多数派になるのか、推測するのは難しい。地域によっても結果が違うかもしれない。 「on」は接触を表しているだけだから、ベールと顔が接触するように被っただけかもしれない。 文脈が不十分ならば、「I drew the picture of a veil on my face」といわないと通じないかもしれないね。「the picture」によって、「drew」の解釈をある程度強く限定できる。あるいは、動詞「paint」を使っちゃうとか。

こういうこともあって、英語ネイティブは日本語ネイティブと比べて考えるのが苦手だ。言語は思考の道具でもあり、単語の意味にあいまいさが残りやすい言語では、考えるのに時間がかかる。だから、彼らの社会には早い時期から私生活の概念が強くなった。思考をパターン化したがるから、大がかりな哲学も発達する。

一方、日本語ネイティブは個人としてはとても賢いが、伝達に時間がかかるため、集団になると途端に馬鹿になる。先の大戦中の大本営とかね。人間関係にも苦労が多いため、人間関係をパターン化する。だから、敬語が発達し、学校では学年が1つでも違うと上級生に対して敬語を使ったりする。